クエンティン・タランティーノ ジャッキー・ブラウン

タランティーノは日本的な要素の消化の仕方が気に入らなかったりで、あまり好きな監督ではないのだが、「ジャッキーブラウン」は非常にツボにはまった。実に面白かった。金を通じてしか信頼関係が築けないところとか、いかにもアメリカ的な、疑心暗鬼と恐怖の連鎖を感じさせつつも、ジャッキー・ブラウンが利害関係を超越した信頼を保釈金業者のおっさんに感じてたり、っていうベタなメロドラマっぽい味付けも好みだった。あとはこれもいかにもアメリカな設定だが、銃の使い方がおもろかった。ちょっとイラっときたら銃殺!みたいな。そのへんの些細なケンカから銃撃に至るまでの会話のグダグダ感なんかがおそらくは彼の真骨頂なのだろう。他の映画のそれは、例えばレザボアなんか特に大嫌いだった記憶があるが、なぜかこの映画のグダグダ会話は抵抗なく観れた。案外映画館で観たというのがでかいのかもしれない。思えばパルプフィクションキルビルも家で観たし。
タラの映画は家で観るもんじゃないのかもしれない。