日本の名随筆 別巻 100 聖書

論語とバイブル 正宗白鳥


氏は洗礼を受けた後棄教しており、おそらく、そのころに書かれた文なのだろうが、基督教への皮肉に満ちている。ただこの人は臨終の際に基督への信仰を捨てていなかったことを告白していて、晩年のそのあたりの話題については、親交があった深沢七郎の書いた文章が実に面白くて、そもそも僕はこの作家にそこから興味を持ったのだった。