2006-07-17から1日間の記事一覧

代書人バートルビー メルヴィル

何をしろと言われても、「せずにすめばありがたいのですが」と言い続け、何もない壁をひたすら見つめ続ける男バートルビーが結局刑務所で死んでいくまでを描いた不気味極まりない小説。素直に読めば、仕事に追われ日々の生活に何ら喜びを感じることができな…

プレーンソング 保坂和志

我々が普段日常的にあまりそこに注意を向けないような、非常に微妙な思考や視線の移動、移り変わりを見事に言語化している。 例えば、ある人との会話がふと記憶によみがえることで、その時の風景の見え方がほんの少し変わったりだとか、会話中に相手のニュア…

ポルノスター 豊田利晃

なんというか、最近失いつつあったものの重要性を再確認させてくれた感じはする。 丸くなったら終わりってこと。 墓碑銘うんぬんは青臭い気もしなくはなかったが、非常によくわかる話でもある。 ジュニアの名演ぶりには驚かされた。 どうでもいいが、本作で…