2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ダーウィンの悪夢

大体予告編で予想していた通りの展開だった。 ただやはり映像というメディアは喚起力が強い、というのは厳然たる事実としてあると思うので、こういった映画をちゃんと観ておく、ってのは他人事で済まして日々生きているとしても、時には必要だろう。 ナイル…

リンダ・ハッチオン パロディの理論

ゼミの発表用に仕方なく読んだのだが、期せずしてさまざまな新しい視点を獲得できた。 笑いの理論とメタフィクションを繋ぐ一つのキー概念として、パロディを位置づけることができそうだ。もう一つのキーとなってくるのは、ナンセンス/ノンセンスの議論。こ…

寺山修司 ああ荒野

メタフィクション的要素と、パラガ的なポスト私小説の文脈が重なってくるあたりに存在している特異な作品なのではないか。 技法の革新が行き詰った後のメタフィクションはこういう方向に行くしかないんじゃないか、というあたりを絶妙に突いている気がした。…

フィリップ・ガレル 恋人達の失われた革命

長い。 彼女役がブスできつかった。 ルイ・ガレルは男前。 やたらと詩を引用しつつアヘン吸いながら革命への熱き想いを語るパートがメインで、その冗長さと言ったらもうとんでもないレベル。もちろん長廻しを多く使いあまり頻繁にカットを割らないというのは…

吉田戦車 伝染るんです

不条理ギャグの極北。一つの到達点と言えるのでは。 四コマという縛りがありながら、ここまで自由な創造力を羽ばたかせているというのは奇跡的ですらある。二巻あたりからは、もはや起承転結の形式を守っている作品はほとんど皆無で、装填も常軌を逸したもの…

ナンシー関 高橋洋二著・監修 ヴィンテージ・ギャグの世界

昔テレビやラジオで流行った芸能人のギャグを振り返って分析した本。年代も年代なので知らんものがほとんど。流行現象の分析としてはなかなか面白かったが。重要だと思うのは、笑いにおいて、場所による文化の違いと同程度に重要な差異として存在するのが、…

エリック・ロメール O侯爵夫人

トラウマ!トラウマ! 由緒ある家系の未亡人を、夜襲をかけてきた卑劣な男達から守ったものの、いざ男達を払いのけた後薄いシルクのネグリジェ一枚で寝ている艶かしい彼女を見てみたら、こう、なんかムラっときちゃいまして、どうにも我慢できなくて、ついや…

ゴダール 男性・女性

ゴダール映画はやっぱり嫌いだけど、これはまだ好きなほうかも。 革命と女が大好きな男達の物語。この頃の男は呑気でいいな、とこういう映画観る度に思う。ホントは鬱積したものを発散したいだけで、別に思想なんかどうでもいいんだけど、そのことに自分では…

1・4

武藤、蝶野対天コジを観て、久々にやや心を動かされた。ただ同時に、今まで以上にプロレスの未来について懐疑的になってしまった。天コジがあまりにもひどかったから。 華、色気が無さ過ぎる。いくらなんでも。武藤とかと比べたら可哀想なのかもしれんが、さ…

ECD 独楽

自伝的短編。時代特有の固有名詞の面白さぐらいしかなかった。

菊池成孔 Q&A

en-taxiに載ってた短編小説(?)。この人がフィクション書いたらどうなるんだ、と思って期待して読んだら見事にスカされた。ただ流石におもしろい逃げ方をしている。自らの変態プレイについて語り下ろす前半部と、その性的嗜好を精神分析理論と絡めて見せる…

おナルーフロイト 書いてしまう(言葉にしてしまう)とフェティッシュが消える 語りえぬものについてはやはり沈黙すべきなのか? 本当に心の底から感動したり気に入った作品については色々書いたりできないってのはあるかなと思う はてなを振り返ってみても…

07年展望

新たな興味が出てきてる分野及び、ずっと頭にあるがまだあまり研究できてない分野を一応挙げておく。後で参照できるよう。・SM 文学、実践、トラウマ、精神分析 ・贈与論 モース、レヴィストロース、貨幣論 落語(人情、義侠心)、ジャンクー煙草譲る、プレ…

2006年総括

研究 ・プロレス バルト「レッスルする世界」、村松本、前田U関連本・映像、別冊宝島プロレスに捧げるバラード、ゴッチイズム、エンタクシー プ特集 未読 菊池ナル本、らもエッセイ一部、吉田豪・笑い ベルクソン 未読 フロイト機知論、らも何がおかしい、枝…

高橋康也編 遊びの百科全書1 言語遊戯

ユーモアの問題を考えるにあたり言語遊戯の項は外せない。キャロル、ジョイス、バーセルミあたりから、駄洒落まで。高橋氏の文章はおもろいので他のも押さえたい。

中原昌也 KKKベストセラーズ

島田雅彦への憎悪によって悪ふざけの極致のような本になってしまったのか、それともそれはポーズにすぎなくて、はじめからこの雰囲気を狙って書いたのか、そこがまずよくわからない。 どっちにしても中盤以降は正直つまらんかったし、30分かからずに読み終わ…

リンクレイター スキャナー・ダークリー

「緩慢な死」を誘う、見えない権力(substance D)の恐怖。 ディックによる感動的なあとがきをも再現した、ほぼ原作に忠実な脚本。ホログラムスーツの表現など、以前よりさらにカッコよさを増した、「ウェイキングライフ」以来となる、実写とアニメの融合とい…

リンクレイター スクールオブロック

中学の授業で見せるべき映画。中学でこれ観たらみんなバンドやりたくなるに決まってる。ベタな成長物語ではあるが、素晴らしい。難解な映画ばっか撮ってるこの監督がこういう映画を撮れる、ってのは意外だった。いい意味での馬鹿馬鹿しさが充満していた。振…

浅田彰 構造と力

どうせ蓮見的な難解、晦渋な文体なんだろうとタカをくくって読み始めてみたら、あらびっくり非常にわかりやすい書き方がされており、スイスイ読めてわかった気になれた。 だからと言ってニューアカブームをリアルタイムで経験していない世代としては、流石に…