未来惑星ザルドス ブアマン

所謂逆ユートピアもののSF映画。ハクスレー「素晴らしい新世界」やオーウェル1984年」などの古典(?)を読んだときにも感じたことだが、この作品も、どうも社会風刺に目が行き過ぎている感じがする。なんと言うか、真面目すぎなんじゃないか、と思わずにはいられなかった。

要するに何が言いたいのかというと、ユーモアが足りんということだ。下ネタがらみの部分は多少笑えたが、終始、「基本的にマジです」という作り手の姿勢がビンビン伝わってきて、きつかった。

こういったSF作品では設定が非常に重要になるわけだが、現代社会の弊害をアイロニカルにうまいこと表現していてその点に関してはとてもよかったと思う。低予算ゆえのチープさも今見るとレトロな魅力に映らないこともないし、もうちょっと軽いノリで作ってくれたらなおよかった。まあ肩に力が入った作品のほうが好きな人にはウケるだろう。よく出来てるし。

あと、やたらオズの引用してた。やっぱ基本なのね。読まねば。