オリバー・ストーン ナチュラル・ボーン・キラーズ

ネットの評価見たら結構酷評されてたが、個人的には好き。タランティーノ脚本を監督が勝手にいじって作ったらしく、タランティーノが今作を観て怒ったというエピソードがあり、それに託けて、映画通ぶってる奴等が、タランティーノの良さを潰しちゃった、スタイリッシュだと思い込んでるだけでくどい映像だし、ダサいよ!といった批判をしていた。信頼できる奴がどう評してるかは気になるが、こういう輩はどうでもいい。正直。

連続殺人犯カップル、ミッキーとマロリーの二人が縦横無尽に活躍する、エログロバイオレンス映画。なんといっても映像のスピード感が素晴らしかった。使ってる技術はやや古い(93年の映画だから当たり前)ものの、本編の展開とさして関係ない映像(動物、昆虫の交尾シーン、血まみれのおっさん、インディアンなどそれ以前の場面に出てきたキャラetc)がカットアップ的に挟まれたり、場面の背景にテレビ画面を思わせるような映像が流れていたり、という演出は面白かった。ひたすら人が死にまくる展開もなかなか爽快で悪くなかった。

後半からはメディア批判のメッセージが前面に出てくる感じだった。主人公二人がメディアの力で偶像視されていく過程を描きつつ、名物パーソナリティーも巻き込む終盤へとなだれ込んでいく怒涛の展開は素晴らしかった。たいした事言ってないとしてもスピード感は評価されてしかるべきだと思ったが、どうなんだろう。説教臭さへの拒否反応が多くの人から出てたようだし。

まとめると、メッセージ、テーマといった面から見れば平凡だったが、異常なスピード感に着目すれば傑作だった。という感じ。タランティーノの映画より好みだった。正直。