日本美術が笑う 笑い展

・日本美術が笑う
キャプションの日本語が滅茶苦茶だったのはどうかと思ったが、展示自体は非常に素晴らしかった。中でも円空の彫刻、唐の禅僧、寒山と拾得の不気味極まりない笑顔を描いた「寒山拾得図」は特にグッと来た。寒山の表情は凄まじかった。ガンギマリにしか見えなかった。円空は「火の鳥」の彫刻パートのモデルなんじゃないか、と思ったが真偽のほどは不明。浦島物語絵巻とつきしま物語のヘタウマ具合も笑えた。しりあがり寿なんかを思わせるバランス感覚だった。あとは放屁合戦絵巻も爆笑ものだった。異様な長さにして屁こきあってるだけという下らなさ。そして、その作品を神妙な顔で見つめる客達、という状況。完璧だった。



・笑い展
こちらは一転して世界の現代美術における「笑い」に焦点を当てた展示。
最初のセクションのフルクサスのいくつかの作品と、若い時の赤瀬川源平のゼロ円札と偽千円札なんかが見れたのはよかった。その他はひどかった。現代美術だからどうしてもアイディア勝負になってしまう面はあるんだろうが、いかにも高尚な狙いがあるんですよ、と言いたげな作品が多く辟易させられた。さぶいなーこれは、ってのがあまりにも多すぎた。ロシアかなんかのブルー・ノーズっていうおっさん二人組は偏差値が低くて非常に笑わせてもらったが。三十年後のチェ・ゲバラ 革命続行中 というタイトルで、太ってシャツの下からぶよぶよの腹がはみ出た中年のおっさんが、ベレー帽だけかぶったままソファに寝転がってて、床には酒の空き瓶が散乱してる、って作品が一番ツボだった。あとタイ人の作品もアホでよかった。