2007-05-30から1日間の記事一覧

北野圭介 ハリウッド百年史講義

実にわかりやすくためになる。新書の鑑のような本。 作品論にとどまらず、製作側の立場と観客側の立場をも含めて包括的に語る、というかなり無茶な方針で書かれているにも関わらず、見事にまとまっていた。自分の知識量の問題もあるんだろうが、60年代までの…

ヒエロニムス・ボス

地獄の事細かな描写が非常にグロテスクで、また奇妙な魅力を発していた。 敬虔なクリスチャンであるがゆえに、天国を描くだけでなく地獄をもきっちりと描ききらねばならないのだ、というオブセッションが働いていたとしか思えない、シュールレアリスティック…

セルゲイ・パラジャーノフ ざくろの色

これを果たして「映画」と呼んでよいものか。 誰もが一見してわかるように、映画製作において暗黙の了解となっているような約束事、映画史が積み重ねられていく中で徐々に形成されていったような映画の文法、そういったもの一切から完全に逸脱し切っている彼…

マーティン・スコセッシ タクシードライバー

初デートでポルノ映画に誘うところが一番笑った。