2006-10-30から1日間の記事一覧

オースター 鍵のかかった部屋

所謂ニューヨーク三部作の最後を飾る作品。 例によって書くことや読むことにまつわる思索を含みつつも、ラディカルさとは無縁の物語として成立していた。ちょいメタ。三部作はどれも共通して探偵小説の枠組みを用いつつも、探偵小説に必要不可欠な要素を物語…

リチャード・ドーキンス 利己的な遺伝子

十章までの議論は、一言で言ってしまえば「動物やわれわれ人間は、自らの遺伝子を後の世代に少しでも多く残すために生きる生存機械である」という仮説を手を変え品を変え、様々な視点から証明しようとしているもの、と要約できる。 主に用いられているのは、…

魚楠キリコ 南瓜とマヨネーズ

まあ、上手いかな。オチはさらっとしすぎててなんとも、という感じだったが。 この人の絵柄はずるい気がしなくもない。映画化した時に、この人の絵柄が醸し出すニュアンスがどう変化するのかはちょっと興味ある。

石井輝男 黄線地帯

探偵もの。例によって脚本は適当な感じだったが、彼の他作品に比べると、それほど派手な破綻は見られなかった。そのせいでかえって、作品としては面白味に欠けるものとなってしまっていた。ベタな描写がある程度きちんと機能してしまったことで、ただの二流…